日 時 | 見 出 し | 記 事 |
2005/06/23(木) | 控訴審第2回 | - 裁判官:
裁判長:濱野 惺(さとる)氏 裁判官:高世 三郎氏 裁判官:長久保 尚善氏 - 前回以降の経過
(1) 控訴人の「控訴理由書」に対し、被控訴人である小泉から「第1準備書面」(注1)及び同国から「答弁書」(注2)がいずれも3月10日付で提出されていた。 (2) これに対し、控訴人から「準備書面(控訴人ら第1回)(5月中に提出。書面日付6月23日付け、注3)を以って、被控訴人国の反論に対し、再反論を行っている。 (3) さらに、被控訴人国は、控訴人「準備書面(控訴人ら第1回)」に対し、「準備書面(1)」(6月13日提出、書面日付6月23日、注4)で反論を行っている。 注1:内容は、「控訴人らに保護法益が存在しないことについて」(第1)、「本件参拝の性質について」(第2)の構成になっている。 注2:内容は、「控訴の趣旨に対する答弁」(第1)、「はじめに」(第2)、「本件参拝は控訴人らの法律上保護された具体的権利ないし利益を侵害するものではないこと」(第3)、「本件参拝に関し、国賠法1条1項の職務執行該当性を認めた原判決の誤り」(第4)、「本件参拝が「国及びその機関」によるものでないこと」(第5)、「結語」(第6)の構成になっている。 注3:内容は、「被控訴人国答弁書第4「本件参拝に関し、国賠法1条1項の職務執行該当性を認めた原判決の誤り」に対する反論」(第1)、「靖国神社の変らぬ本質」(第2)、「国の取るべき態度」(第3)の構成になっている。 注4:内容は、「1 内閣総理大臣たる地位にあるものの行う私的行為について」、「2 いわゆる私的参拝の4条件について」、「3 参拝の態様について」、「4 従前の主張の補充」の構成になっている。 * 以上の書面のテキストは後日掲載します。 - 6月23日法廷(弁論)
(1) 裁判所は、前回の裁判以降に控訴人及び被控訴人双方から提出された書類(6月23日付のもの)の確認した。 (2) 控訴人から証人申請を行ったが、裁判官合議の上、「これを行なわなくても判断できる」として却下した。 (3) 裁判長は、「本日を以って結審する。判決は9月29日(木)13:20、818号法廷において言い渡します。」とした。 |
2004/11/25(木) | 第12回判決 | 11月25日千葉地裁で判決が言い渡されました。 「内閣総理大臣としての職務行為の参拝」と認定しながら,憲法判断をせず,原告らの権利侵害はないというもので,不当な判決でした。 判決後の報告集会で「控訴しよう」ということになり,控訴に向けた準備に入っていくことになりました(その後,原告側は12月8日,千葉地裁判決を不服として,東京高裁に控訴)。 本件裁判の争点は5点で,@原告の本件訴えの内,被告小泉に対する部分が訴権の濫用にあたるか,A本件参拝が,「職務行為」にあたるか,BAの「職務行為」にあたる場合,被告小泉も個人責任を負うか,C本件参拝は違憲,違法か,D本件参拝により,原告らの権利ないし法的利益が侵害され,損害が生じたといえるか,ということです。 争点についての裁判所の判断は,@については「訴権の濫用にあたらない」,Aは「公用車の使用,SPが同行,記帳に「内閣総理大臣」の肩書きを付けたといった点から「『職務を行うについて』なされたもの」,Bは「公権力の行使に当たる国の公務員が,その職務を行うについて,故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは,国がその被害者に対して賠償の責めに任じ,公務員個人はその責めを負わない」として棄却,Cは判断を回避,Dは「本件参拝に対して強い不快感,憤り,あるいは不安,危惧の念等を抱いたことは認められるが,これを越えて,原告らが信教の自由に対する直接的かつ具体的な強制,干渉ないし不利益な取り扱いを受けたとの事実を認めることは出来ない」として棄却,というものでした。 千葉・靖国違憲参拝訴訟は,小泉純一郎首相の靖国神社参拝は政教分離や信教の自由を定めた憲法に違反し,精神的苦痛を受けたなどとして,千葉県内の戦没者遺族,宗教者ら63人が首相と国に計630万円の損害賠償を求めた訴訟です。 25日当日は,弁護側の席に弁護団が5席,原告団に10席割り当てられ,36の傍聴席はいつもはほとんど来ない記者に12席,残りの24席が抽選。裁判所前に並んだ傍聴希望者は,180人余りに達しました。 並んだ人たちの,おおよその内訳は,原告側30人,沖縄からの傍聴支援や東京からも弁護士・訴訟の会などから参加がありました。マスコミ関係者も10数人。神社関係者の組織動員と思われるひとたちが140人近くという状況でした。 小泉首相の靖国参拝をめぐる訴訟は東京,大阪,那覇など6地裁で7件起こされており,判決が出たのは今回で5件目。いずれも請求を棄却し,3月の松山と5月の大阪第2次訴訟の判決は「私的参拝」と認定。一方,2月の大阪と4月の福岡の地裁判決は,「公的参拝」と認定。さらに福岡地裁では「参拝は憲法違反」の判断もでています。 今回の千葉地裁の判決は,国側の「私的参拝」の主張に対して,公的参拝の流れを形作ったと言えそうです。しかし,これは同時に内閣総理大臣としての靖国参拝について,裁判所がお墨付きを与えたとされてしまう危険性もあると思います。公的参拝と認めた以上,参拝は違憲となるはずですが,本件での職務行為の認定は憲法判断を導くためのものではなく,「国家賠償法上の職務行為」の認定に逃げ込んだものといえます。そして「国に国家賠償責任を負わせるには、私人の具体的権利、法的利益の侵害が前提として必要だが、本件では認められない」として,「原告らの権利侵害はない」のだから「当裁判所が本件参拝の客観的違法性を判断する必要はない」として憲法判断を回避している構造になっています。 小泉首相は,国内外からの批判を受けながらも,毎年靖国参拝を繰り返しています。総理就任後4回も靖国参拝を行っていて,これからも参拝する旨公言しています。同神社への首相や閣僚の参拝については,その度毎に中国や韓国をはじめとするアジア諸国から抗議の声があがっており,中国首脳と小泉首相の相互訪問も行われないという異常事態に至っています。 小泉首相は,「私が参拝したのは、『二度と戦争をしない。中国に迷惑をかけない』との理由だ。」(毎日新聞12/5),「靖国参拝は心ならずも戦場で亡くなった方に哀悼の意を示すものだ」(11月21日の日中首脳会談)などと開き直っています。 本件靖国参拝訴訟は,小泉首相がこれからも参拝を繰り返して行こうとしているのに対して,極めて現在的な参拝を許さない運動になっています。周辺事態法や有事法制が成立し,自衛隊がイラクに派兵されるなど,日本が戦争のできる国へと変化している中での首相の靖国神社参拝は,新たな戦死者を想定して行われたものと言わざるを得ず,日本国憲法の平和主義から言っても決して許されるものではありません。 千葉では,全国の小泉靖国訴訟と連帯して,東京高裁で控訴審を闘っていくことになりました。 今後ともご支援をよろしくお願いします。 <新聞各社判決要旨・論評&「訴訟団・弁護団声明はこちらです> |
2004/07/22(木) | 第11回口頭弁論 | 本日の裁判の経過説明 (原告代理人:植竹弁護士&傍聴ノートから) - 裁判長は、前回から今回にかけて、原告、被告双方が提出した準備書面(下記2〜3)と証拠を確認し、双方の主張が尽されたことを確認した上で、当口頭弁論をもって結審とした。
次回はいよいよ判決、11月25日(木)10:30から501号法廷で。 - 国第4準備書面要旨:(テキストは後日掲載)
@ 原告等の権利侵害はない。 A 本件参拝は内閣総理大臣の職務行為としての参拝ではない。 B大阪判決、福岡判決は外形標準説の解釈を誤っている。 *(原告代理人コメント1) 「職務行為か否かは政府統一見解を基準にすべきだ。」との司法を無視した傲慢な態度が見られる。しかし、これは(小泉の強引なやり方に対する)国側の危機感の現われでもあるようだ。 *(原告代理人コメント2) 福岡判決に対して、「司法消極主義」の大々的な主張をしてくるものと予想したが、「外形標準説」による大阪判決、福岡判決批判に留まった。やや期待はずれだ。 - 小泉第5準備書面要旨:(テキストは後日掲載)
@ 本件訴えは「自然人たる小泉」の信教の自由を侵害する不当な訴訟。 A 原告らの権利侵害はない。 B 本件参拝は職務行為でない。 - 原告ら第11準備書面要旨(テキストは後日掲載)
@ 国(第4準備書面)、小泉(第5準備書面)に逐一反論。 A 「外形標準説もいろいろ」 B 小泉代理人の弁論能力の欠如 C 不法行為の相関関係説(加害行為の度合いが強ければ、被害が少なくても権利侵害は認められる。また、逆に被害が大きければ、加害行為の度合いは少なくても権利侵害は認められる。 D 自民党の「改憲」論点整理案 次回11月25日(木)はいよいよ判決が出されます。原告と支援者で傍聴席を埋めましょう。 当日は記者席も確保されるので、傍聴者に割り当てられる座席が普段(36名)より少なくなります。早めに集まってください。 |
2004/04/22(木) | 第10回口頭弁論 | 本日の裁判の経過説明 (原告代理人:植竹弁護士&傍聴ノートから) - 前回の裁判で、原告側から申請していた原告4人の証人尋問(本人尋問)について、裁判所側から却下する判断が出た。詳細な陳述書が出ているから必要ないとするもの。通常、このような決定には2〜3週間程度で判断されるのであるが、このたびは2ヶ月を要したことになる。
- 被告側(国、小泉)は、更に準備書面を提出したいとし、これを提出するのに、2ヶ月もの期間を要するとの申請を行った。
- 前回(第9回)の裁判以降、原告側は、「大阪、福岡の裁判で、公的参拝、違憲(福岡)との判決が出ているにも拘わらず、小泉は「今後も参拝を続ける」と言っている。 被告が、かかる違憲行為を今後も続けるのであれば、憲法判断を積極的に行うべきである。」との憲法学会の支配的見解にたった準備書面を提出していたところである。
- 被告側は、「これに反論をしたい」との意図で準備書面を提出するのであるが、福岡での明確な「違憲」判決に対し、千葉でこれに反論したいと、考えているようだ。「福岡の敵を千葉で取る」との意趣返しであろう。
これについて原告側から、「これまで、被告は自分の主張は尽くした、原告側も早く主張を尽くすべきだ、といってきた。 被告がここへ来てこのような態度をとるのはおかしいのではないか。」(趣旨)と、厳しい指摘を行った。 - 以上の経過に対し、裁判所はいったん合議のため短時間の休憩をとったあと、
被告は、準備書面を6月21日までに提出すること。 次回7月22日(木)は、結審とする。 との決定を行い、この日の裁判を終えた。 現在の日本の司法は、「裁判官が議員のように国民に直接選出されるわけではないから、国民を代表する議員により合憲と判断された法律を覆すのは、民主主義に反するのではないか。こう考えれば、審査権の行使は謙抑的に行うべきだ。」との司法消去主義の考え方にたっている。 しかし、国会議員の選挙については、定数不均衡が司法によって是認され、そして、利権に結びついた小選挙区比例代表制によって、圧倒的に自民党の一党支配に有利な状況が続いている。議会の構成は、決して民主主義が反映さているとはいえないのである。 憲法学の常道からすれば福岡判決は「当り前」のものなのであるが、個々の裁判官が「清水の舞台から飛び降りる勇気を持たなければこれが出せない。」という深刻な問題を日本の司法は抱えている。 民衆が「この社会では社会正義が実現されている」と実感できる立派な判決を千葉地裁の裁判官に心から期待したい。 |
2004/01/29(木) | 第9回口頭弁論 | 本日の裁判の経過説明 (原告代理人:植竹弁護士より) - (1) 小泉の参拝形態について、訴状と原告等第7回準備書面に若干の食い違いがあり、その点を整理した書面(1枚)を提出した。
(2) 安藤祐子裁判長からこれまで原告の提出した証拠について一括採用する旨が述べられた。その内容は以下のとおりである。 - '03年10月9日朝日新聞記事等の新聞記事53件
原告陳述書14名分 龍谷大学平野教授意見書 大阪訴訟で行われた平野教授の証人尋問の調書(千葉で改めて同教授の証人尋問を行うことはせず、大阪で行われた調書を提出した。) 千葉訴訟の原告2名が同時に大阪訴訟の原告にもなっていること(重複訴訟)について、大阪側の原告を取消したことを証明した文書。 - (3) 原告の証人尋問の実施について
- 原告側からは4名の原告(遺族、宗教者(キリスト者、仏教者)、一般市民)の証人尋問を申請している。
これに対し、国側からは「陳述書が出ているので証人尋問は必要ない」との意見が出された。 しかし、「原告の生の声を聴いて欲しい」旨を主張したところ、裁判長は「実施については後日裁判所が判断します。詳細な陳述書も出ていますしね。」との扱いになった。 (4) 次回第10回口頭弁論の日程 - 4月22日(木) 10:30から501号法廷
なお、閉廷にあたって、裁判長から原告、被告双方の代理人に対し、「追加の書面等があれば提出して結構です。」と話があった。 - (5) 靖国裁判は、沖縄と東京を除き、そのほかの地域ではいよいよ判決が出される日程が決まった。次のとおりである。
- 大阪・・・・・・・・2月27日
四国・・・・・・・・3月16日 九州・山口・・・・4月7日 (6) 千葉の訴訟も山場を迎えています。次回の裁判にはより多くの傍聴をお願いしたいと思います。 |
2003/10/23(木) | 第8回口頭弁論 | - 原告側から
- (1) 「準備書面(原告ら第8回)」を提出(10月23日付け)した。
内容は原告15名の被った損害(陳述書)を戦没者遺族、宗教者、平和を希求する市民の3グループに分類し、被った損害の事実を明らかにし、その法的根拠を明らかにしている。また、被告小泉が靖国神社の参拝を継続することに触れ、そのことが国益も害していることを明らかにしている。(後日原文を掲載します。.) (2) 宗教的人格権の重要性について、平野武氏(龍谷大学法学部教授)の「意見書」(「現代日本における信教の自由の拡充・拡大について」)を証拠として提出した。日本での国家と宗教をめぐる歴史的問題と現代における新しい宗教、個人的な宗教など宗教がさまざまな展開をみせるなか、「信教の自由」は極めて重要な意味合いを持ってきていることが述べられている。(後日原文を掲載します。) - 被告側から
- 原告側から「被告国が「私的参拝」としている部分が被告小泉の主張に反する部分か否か」を粘り強く求釈明し来たことに対し、小泉代理人は「私人での資格の参拝」であることを明確にした。(そう言わざるを得なくなったのであろう。) しかし、小泉の国会での答弁などこれまでの経緯(確信犯的行為)から裁判官がこれをどう判断するかが焦点となるところである。
-
- 今後の予定・その他
- (1) このたびより裁判官が交替した。裁判長は女性の裁判官。言葉がはっきりしていて傍聴席でも良く聞こえる。原告・被告との口頭でのやり取りも増えた。そのなかで、裁判長は「原告ら準備書面(第7回)」で被告側の指摘した(イ)小泉の参拝時の記帳が昇殿参拝の前か後かの違い(ロ)献花料と、献花の違いについて、「大きな違いが見られないのでは?」と被告側に質問した。これに対し被告代理人の一人は、「献花料はお金で、献花は花そのものです。」などと答え思わず傍聴席から笑いが漏れた。
- (2) 原告側の主張はほぼ終わった。次回の口頭弁論は1月29日(木)10:30から。次回は証拠調べ(イ)原告の意見陳述(原告代理人からの質問に答えるかたち)と(ロ)平野教授の意見陳述が行われる予定である。なお、平野教授の意見陳述については大阪訴訟で行われた尋問供述調書が採用される可能性もある。
なお、これらに先立って、原告側からの証拠申請と補充準備書面は12月19日(金)までに提出することになった。 (3) 被告小泉の行為についてはその事実が明確であるのでこれをどう評価するか大きな問題となろう。 |
2003/07/31(木) | 第7回口頭弁論 | - 原告側から
- (1) 「準備書面(原告ら第7回)」を提出(7月25日付け)
内容は政教分離解釈について。 後日原文を掲載します。 8月5日掲載しました。 (2) 証拠の提出 - ・ 『国家神道』(村上重良、岩波新書)
・ 2001年5月11日〜同11月16日の新聞関係記事 ・ 国会議事録(2001年5月14日衆院予算委員会) ・ 国会議事録(2003年1月19日参院予算委員会) - 被告側から
- (1) 「準備書面(原告ら第7回)」の小泉靖国参拝時における参拝手順が「訴状」と若干異なる点について口頭で質問があった。 「訴状」に比べ「準備書面(原告ら第7回)」ではこの部分が要約をして記述されていたためのものである。
(2) 「準備書面(原告ら第4回)」で、「被告国が私的参拝としている部分について、被告小泉の主張に反するものなのか否か」につき求釈明を行っていたが、これに対しは「内閣総理大臣の職務としてではない。」と釈明があった。 - 今後の予定
- (1) 今後の裁判の予定
- ・ 原告全員の陳述書を代理人へ提出する。
・ 代理人はこれをもとに原告の蒙った損害を準備書面にまとめて裁判所に提出する。 - ・ 裁判所による証拠調べ
原告および原告が申請する証人に対する証人尋問が行われる。 (2) 次回の口頭弁論は10月23日(木) 10:30〜(501号法廷) 傍聴券は9:50から配られます。早めにきて下さい。 |
2003/05/22(木) | 第6回口頭弁論 | - 原告側から
- (1) 「準備書面(原告ら第4回)」の提出
- 公式参拝か私的参拝かの問題についての被告国・小泉側のこれまでの主張に対し、この準備書面では、これをことごとく丁寧・完璧に論破している。 そして、第156国会、2003年1月19日参議院における、被告小泉の2人の議員に対する答弁を指摘している点が注目される。 これも、被告側にとっては致命的といえる内容だ。
同書面より、この極めつけの個所をピックアップしてみよう。まず、「日本国の総理大臣としてあのときは私の8月15日に参拝するという約束は守れなくても8月13日に参拝するという点について、これは当時の私自身の、また、今でもそうでありますけれども、参拝することによって私なりに一つの決断をしたわけであります。」の部分であり、そして、死んでも生前の罪まで着せて許さないというのは「日本人には」余りなじまないとの趣旨を述べ、「私はこういう気持ちも外国の方にも理解して頂きたい。私が総理大臣である限りは、そういう気持ちを込めて、時期にはこだわりませんが、毎年靖国神社に参拝する気持ちに変わりありません。」とのくだりである。 -
また、この準備書面では、被告小泉の第3準備書面が「被告国の準備書面の内、被告小泉の主張に反しない限りでこれを援用する」と述べていることに対し、被告国が「私的参拝」としている部分が被告小泉の主張に反する部分か否かを求釈明している。 以上について、わが原告代理人は法廷にて、被告側に釈明を要求したが、被告側は「これに答えるつもりはなく、総括した主張のなかで答えるつもりだ」と逃げてしまった。 さもありなん。 非常に重要な点であるのでキチンと答えるべきだが、あまりに、決定的にやばい内容なので被告側にとっては答えることができないのであろう。 -
- (2) 原告の主張として、「準備書面(原告ら第5回)」(国家神道とその役割)、および「同(原告ら第6回)」(戦後の靖国問題の経緯)を提出した。
* 以上3つの準備書面は、後日、原文を掲載する予定です。 掲載しました。(2003年6月23日) -
- 被告国側から2件の証拠の提出。
- (1) 大阪訴訟(小泉首相靖国参拝違憲アジア訴訟)の「靖国応援団」の補助参加申請に対する地裁・高裁の却下決定書
- 大阪の原告団は靖国神社も訴えて闘っている。
憲法20条一項後段「いかなる宗教団体も国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」の条文に違反するからである。 国の機関の参拝は「特権」といえるし、この特権を受けたことは憲法違反になるとの理由である。 - これに対し、「靖国応援団」なる人々はこの裁判に「補助参加」を申請して裁判に加わろうとしたが、地裁・高裁共にこれを却下した。 「申し出人らの主張する人格的利益なるものはただちに法的な利益として認めることはできない」ことと、「そういう人格権は内心の問題であって、(小泉の靖国参拝が違憲との)判決によって影響を受けるものではない」との理由によるものである。
- 被告国・小泉側はこれをもって、千葉訴訟の原告側の訴えを法的利益のないものと主張しようとしているようだ。
- しかし、大阪訴訟団は「原告は行政権力の布教活動ということに対して、差し止め・違憲確認・賠償を求めているのですから、こういうすり替えは議論の外です。行政権力には信教の自由や布教権というような権利はまったくありません。原告はこのことについて「寛容」である必要など微塵もありません。」(大阪訴訟団HP)として、問題にしていない。
(2) 千葉県市川市在住A氏は3度にわたる小泉首相の靖国参拝を違憲違法であり、国民として不名誉であり、恥辱を受けたとして国家賠償を求め、国を相手に訴訟を起こした。 - 原告本人は弁護人もつけず、一度も法廷に出廷しないまま、3ヶ月ほどでその判決が4月15日に言い渡された。
- 結果は「原告の請求を棄却する」ものとなった。 判決は、原告の不名誉と感じたこと、恥辱を受けたと思ったことは国家賠償法で保護される法益ではないとしている。 また、小泉の靖国参拝自体については国家賠償法上の請求の要件を満たしていないのは判断するまでもない、としている。
以上の判決文を証拠として提出し、千葉訴訟の原告の訴える小泉の参拝による、原告の人格権や宗教的人格権の侵害は生じないとでも言いたいのだろう。 冗談じゃない。 原告訴状にあるように原告の受けた衝撃はこんな簡単に否定されるような軽いものではないんだ。 - 今後の予定
- (1) 原告側として、政教分離の解釈、損害賠償のまとめ、証拠などを法廷に提出する予定。
(2) 次回の口頭弁論は7月31日(木)10:30より501号法廷 |
2003/02/20(木) | 第5回口頭弁論 | - 第4回口頭弁論にて、裁判長の提案である「被告小泉と国に対する裁判の分離」に関し、原告側から「準備書面(原告ら第3回)」及び証拠(「靖国神社」大江志乃夫、「靖国の戦後史」田中伸尚、いずれも岩波新書)の提出が行われた。
「準備書面」の要旨は<公務員の違法行為が故意または重大な過失による場合、本人の責任は免れ得ない>となっている。これによって、原告側は裁判長の分離裁判の提案を間接的に否定したものと考えられる。 - 被告小泉と国側から「第1準備書面」の提出があった。要旨は<参拝が職務行為や内閣総理大臣の資格で行ったものではないこと。参拝によって原告らの信教の自由を侵し、法律上保護された権利を侵害するものではないこと。したがって、本件は速やかに棄却されるべきだ。>となっている。
- また、被告側弁護団は「原告側の主張を早めに出し尽くすように」との発言があった。
思うに、1月19日参議院において、被告小泉は「私の首相在任中、靖国参拝を続ける」旨の発言を行い、公式参拝を明確にさせたので、被告弁護団は、これ以上馬脚を表わされることを恐れたためではないか。 - 次回は5月22日(木)14:00開廷、501号法廷で開かれる。
原告側はこのときまでに主張をまとめて提出することになっている。 |
2002/11/14(木) | 第4回口頭弁論 | - 前回(第3回口頭弁論)で被告小泉側から提出されていた準備書面で「公権力行使における公務員の職務行為について公務員個人は責任を負わないとの判例から小泉個人に対する訴訟を取り下げるように」との主張が行われていたのに対し、原告側から「準備書面(原告ら第2回)」が提出された。
- これによれば、「被告小泉のこれまでの言動、行動から「職務行為」であることは明らかであること、また、同被告のこれまでの主張の不合理さから見ても、原告らの提訴が訴権の濫用には当たらない。」との趣旨が述べられている。
- なお、裁判長から「被告小泉と国に対する裁判を分離して行ったらどうか」との提案がなされた。これに対する原告側の見解は次回(第5回2003年2月20日(木))に述べられることになる。
- 次回(第5回口頭弁論)の予定:
2003年2月20日(木)11:00開廷(501号法廷) 傍聴には整理券の配布がされるので10:10頃までには正門前に集合してください。 |
2002/09/12(木) | 第3回口頭弁論 | - 被告小泉側から「国家賠償法」に基ずき、公務員たる被告小泉本人に対する訴訟の取り下げを求めた書面が提出された。
- 一方、原告側から6月24日に提出した「求釈明書」に対する釈明が2ヶ月以上経っているのに行われていない点につき、その意思があるのか問質す。これに対し、被告小泉側は「釈明すべきものはする」との曖昧な答弁しかできなかった。
- 今回提出された小泉本人に対する訴訟取り下げ要請書面に対する原告側の意見は「2ヵ月後」に回答される。
- 次回の口頭弁論は11月14日(木)10:30a.m.から501号法廷で。
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2002/6/24(月) | 原告訴訟代理人「準備書面(原告ら第1回)」を提出 | - 第2回口頭弁論にて被告小泉側から提出された「答弁書」の内容に対し釈明を求めるもの。
- 「自然人と私人の違い」、参拝行為が「公人なのか私人なのか」、「総理大臣である小泉」と「総理大臣としての小泉」の違い、献花の段取り、「参拝が職務行為でもなく私的行為でもない」など、被告小泉側の「答弁書」やこれまでの言動の曖昧さを問質すものである。
- 一方、被告小泉側の当該「答弁書」の求釈明事項については「よく読めば分かるでしょ!」と一蹴している。
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2002/5/23(木) 15:05〜 | 第2回口頭弁論報告集会 | - 弁護団から本日の裁判の経過説明
- 原告・弁護士との質疑・意見交換:
・ 「被告側は、世界観、宗教観に関し、なんら議論をしていないのに、「答弁書」のなかでこれを云々するのは不真面目だ」との強い批判があった。なるほど、人の心を踏みにじって、平気でいられる人々の発言に相応しい内容のものである。 ・ 今後の取組み ・ 図書「首相の靖国参拝と靖国訴訟について」(諸根 貞夫著、真宗大谷派靖国訴訟を支援する会)の紹介。 |
2002/5/23(木) 15:00〜15:10 | 第2回口頭弁論、第2次訴訟分第1回口頭弁論 | - 被告小泉側は「訴状」に対する答弁書を提出。
- 自然人小泉が靖国参拝したものであり、総理大臣として行ったものではない。
- 小泉に原告の宗教観、世界観を押付けるものだ。
- 参拝によって、原告等になんら被害を与えておらず、訴権の濫用だ。速やかに、訴訟を取り下げるか、却下してもらいたい。・・・などと他の訴訟で提出されたものと同内容のものであった。
- 裁判長から、これに対する意見を求められたが、原告側に「答弁書」が提出されたのが前日午後2時にFax.により送られてきたものであり、原告側代理人は簡単な感想を述べるに留まった。
- 次回の日程
- 9月12日(木) 午前11時開廷
- 被告側「答弁書」に対する原告側「釈明書」を提出する。
- 備考:
- 場所:501号法廷
- 抽選整理券配布:午前10時,正門前にて
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2002/3/7(木) 11:40〜12:30 | 第1回口頭弁論報告集会 | |
2002/3/7(木) 11:00〜11:40 | 第1回口頭弁論 | ・原告代理人訴状の趣旨、原因の朗読 ・原告意見陳述(2名) ・次回日程の決定 |
| 第2次訴状提出 | ・原告数 :23名 合計 :63名 |
2001/12/12 | 第1次訴状提出 | ・原告内訳 遺族 : 3名 キリスト教 牧師,信徒 :29名 仏教 僧侶 : 1名 特定の宗教や信仰を持たない者: 7名 計 :40名 |